コンテンツマップがもたらす効果と作成手順を詳しくご紹介

良質なコンテンツと低品質なコンテンツに白黒つけるべくGoogleが実施したパンダアップデートから早10年。

小手先だけのSEO対策が通用しなくなった現代において、ユーザーが求める有益な情報のみを提供することは最早当たり前となっています。

しかし良質なコンテンツで構成されたサイトほど上位化できることはわかっていても、いざ作り始めると微妙にテーマが噛み合わなかったり、ごちゃごちゃして結局何が言いたいのかわからなくなったりすることはよくあります。

どれだけ頑張ってコンテンツを増やしたところで、ユーザーが迷子になってしまうようなサイトは有益とは言えません。1つの入り口からゴール(商品購入や問い合わせなど)へ繋げるには、その過程に至るまでの道筋が最も重要であり、それを構築することはWebマーケティングにおいて必要不可欠な戦略です。

では、その道筋を設計するにはどういった手順を踏めばいいのか?

今回はサイトの全体像を把握するのに役立つ『コンテンツマップ』について解説していきます。

コンテンツマップとは?

「サイトマップやキーワードマップは知っているけれど、コンテンツマップという言葉は始めて聞いた。」という方も多いのではないでしょうか?

コンテンツマップとは読んで字のごとく、コンテンツ(=内容物)の マップ(=地図)という意味です。

サイト内で細分化されたコンテンツの構成を可視化することで、このコンテンツはこのサイトのどの部分に存在しているか?ということが一目で把握できるようになります。

ではここからはもう少し掘り下げて、コンテンツマップの役割やサイトマップとの違いについて解説していきます。

コンテンツマップの目的と得られる効果について

そもそもコンテンツマップを作る目的とは何か?これは最初の方でも解説している通り、サイトにアクセスしてきたユーザーが迷うことなくゴールまで辿り着けるよう道筋を示してあげることです。

ならばコンテンツマップを道しるべにすることで、どういった効果が得られるのでしょうか。取り扱うテーマやサイト構成によっては若干異なる場合もありますが、主に以下の3点がコンテンツマップによって得られる効果と言われています。

1. 成約率の向上と離脱率の低下

ユーザー目線のコンテンツマップを作ることで、ユーザーは一直線に目的地まで到達できるようになります。

そしてこの案内(誘導)によって自然と成約率が向上することはもちろん、途中で離脱する確率も少なくなるため結果的に売上アップに繋がります。

2. チーム及びクライアントによるサイト全体像の共有

コンテンツマップがあることで便利になるのは何もユーザーだけではありません。

例えば何人かのチームでコンテンツを管理している場合や、あるいはクライアントからコンテンツ制作を依頼されている場合などは、コンテンツマップを作成することでサイトの全体像を共有できるようになります。

そして全体像が共有できればユーザーの動向を見てアプローチの方法を変更したり、次のコンテンツのテーマを皆で考えたりとあらゆる場面で活用できます。

3. コンテンツ制作時のコスト削減

コンテンツSEOで集客や検索エンジン上位化を狙っている場合は、それを達成するために必要なコンテンツのみを集中的に投下していくことが重要です。

とにかくサイトを充実させようとむやみやたらにコンテンツを追加しても、それでは何の成果にもならないどころか無駄なコストまでかかってしまいます。

しかし事前にコンテンツマップを用意しておけば、次のテーマや優先度の高いコンテンツを即時判断できるようになるため、作業の効率化やコスト削減が期待できます。

関連記事:ビルゲイツが提唱したContent is King(コンテンツイズキング)の意味

コンテンツマップとサイトマップの違いについて

コンテンツマップの役割については大体お分かりいただけたかと思います。

では次に「サイトマップとの違いはどこか?」について見ていきましょう。

一見するとどちらも語尾に「マップ」が付いているため混同してしまいがちですが、コンテンツマップとサイトマップは目的別で区別すると違いがわかりやすくなります。

まず、コンテンツマップは主にコンテンツの企画立案やプロモーション、記事の追加・見直しなどを行う際に活用することを目的としており、いわばサイト全体の「仕様書」です。

一方でサイトマップはWebサイトの構成をわかりやすく示したもので、検索エンジンやユーザーに構成を認識してもらう目的で作成するものです。

コンテンツマップが「仕様書」なら、サイトマップはさしずめ「使用説明書」といったところでしょうか。

コンテンツマップが役立つ場面とは

このようにコンテンツマップには様々な用途が備わっていることがわかりました。

これから新しくWebサイトを立ち上げる場合は、コンテンツマップを活用することでどういったコンテンツを制作し、どういった流れでユーザーを誘導するのかということが把握でき、スタート後はどのコンテンツに追加・リニューアルを施すかなどの施策をチーム全員で共有できるようになります。

また、取り扱うテーマを決める時や外部に制作依頼する際にも役立つため、時間と費用が限られた中でも正確に指示することができます。

コンテンツマップの作成手順について

では次にコンテンツマップの作成手順について見ていきましょう。

作成方法は、特にこだわりがなければ紙とペンを使ったアナログ工程でも、ExcelやPowerPointを使ったデジタル工程でもどちらでも構いません。

しかし作成手順は以下の通りに進めていくことが絶対であり、より早く・より良質なコンテンツマップを完成させるための必須条件となります。

1. 取り扱うテーマと関連ワードを決める

まずは最終目標(商品購入や問い合わせなど)から逆算し、ターゲットとなるユーザーが興味を示すであろうテーマを決定します。

例えば最終目標が特定の脱毛サロンへの予約であるならば取り扱うテーマは「ムダ毛の処理方法」、そしてそれに関連するワードは「脱毛器の種類」や「脱毛サロンの比較」などになります。

2. カテゴリー分けをする

関連ワードをいくつか洗い出しできたら、次はTOPページを起点としてカテゴリー別に分けていきます。

そうやって整理することで1つのテーマから派生した関連ワードを段階ごとに構造化できるようになり、サイトの全体像が掴みやすくなります。

3. 作成スケジュールを組む

カテゴリー分けやコンテンツの配置場所が決定し、作成のスケジュールを組んだら概ね完成です。その後は出来上がったコンテンツマップを元に、検索順位上位化や購買に繋がるコンテンツの追加・修正などを加えてブラッシュアップしていきます。

コンテンツマップ作成時に気を付けるポイント

そもそもとして、いくら手の込んだコンテンツマップを作り上げたとしても、ユーザーのニーズを満たすような内容でなければ元も子もありません。

コンテンツマップを元にコンテンツを充実させていけば、検索順位やアクセス数はアップするかもしれません。しかしそこから成約に結びつかなければ作った意味がありませんので、作成時には必ず「ユーザーはどういった内容のコンテンツを求めているか?」ということを心掛けながら進めるようにしましょう。

コンテンツマップ作成に便利なツール3点

上述でコンテンツマップの作成方法はアナログ・デジタルどちらでも構わないと述べましたが、コンテンツマップの共有者が外部にもいる場合は、データを随時共有できるツールを利用するのがおすすめです。

こちらでは、そんなコンテンツマップ作成時に便利なツールを3つご紹介します。

1. Xmind

XMindはシンプルな仕様と簡単な操作でマインドマップが作成できるツールです。

様々なテンプレートが用意されており、アイコンを設置すれば優先順位や進捗具合も簡単に把握できるので初心者にも扱いやすいです。

無料プランと有料プランがあり、有料プランではPDF・Word・Excel・PPTなどに落とし込む機能が充実しています。

2. Mindomo

MindomoもXMindと同様にシンプルな操作性が特徴のツールです。フリー版と有料版の他に仕事用と教育用などシーン別に機能が分けられています。Google Playでも高評価を得ているのでその点でも安心です。

英語での解説になります:

3. Cacoo

Cacooはワイヤーフレームの作成やドローツールとしての機能も兼ね備えたツールです。

無料プランと有料プランがあり、無料プランは作成可能なシートの枚数が25枚までなどいくつか機能制限がかけられていますが、コンテンツマップの作成としてなら無料版でも十分でしょう。ちなみに海外のツールですが日本語に対応しています。

マインドマップアプリはこの他にも沢山あるので、気になる方はぜひ色々チェックしてみてください。

知っておくと便利なマーケティング用語4選

これまでコンテンツマップを作成することで様々なメリットがあることを紹介してきました。それでは最後に、コンテンツマップを作成する担当者が知っておくと便利なマーケティング用語を4つほどご紹介いたします。

マーケティング用語その1:SEO

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、「検索エンジン最適化」を意味します。

GoogleやYahooなどの検索エンジンで検索をかけた時に対象のキーワードで検索結果上位に表示させるテクニックの1つで、現在のWebマーケティングにおいて最も有効な手段として知られています。

なお、SEOについてはここでは書ききれないほどの情報があるため、詳細は割愛させていただきます。詳しく知りたい方は、別で解説しているページを参考にしてみてください。

マーケティング用語その2:キーワード選定

キーワード選定はSEO対策に関連する語句で、検索順位上位化や集客おいて特に重要となる施策です。

サイトを作ったなら、次はそのサイトを検索エンジンでユーザーに検索してもらう必要があります。この時に行うのがキーワード選定で、検索数が多く上位化も難しいビッグキーワードよりも、検索数が少ない分ニッチなユーザーを囲い込めるスモールキーワードを選定した方が成果に繋がりやすくなります。

こちらも詳しい内容は別ページで解説していますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

マーケティング用語その3:カスタマージャーニー

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知ってから購入に至るまでのプロセスを表したものです。顧客の心理や行動を辿ることで、売り手目線では思いつかない顧客視点に立ったマーケティング戦略を立てることができます。

マーケティング用語その4:ペルソナ

ペルソナの元々の意味はラテン語の「仮面」ですが、Webマーケティングにおいてはサービスを利用するであろう「架空の人物像」を意味します。

商品購入やサービスの利用に最も近い人物像=ペルソナを設定することでより方向性やターゲットが明確になり、アプローチも届きやすくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?コンテンツマップはWebサイト全体の構成チェックやコンテンツの追加・見直しの他に、ユーザーの動線を分析するなど様々なシーンで活用できるアイテムです。

売り込みが通用しなくなった現代のマーケティングにおいて、より正確・確実にターゲットユーザーへアプローチできるよう、Webサイトを構築する際は必ずコンテンツマップを作成しましょう。


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